オンネトーはアイヌ語なのだが、湖ではなく沼という意味のようだ。なので"オンネトー湖"とは言わない。"オンネトー"で良いのだ。同類の名称では"ペンケトー"や"パンケトー"がある。景勝地として著名なので、場所は説明するまでもないだろう。雌阿寒岳の西側に位置している。入口にある温泉は以前は"野中温泉"と言ったのだが、最近は"雌阿寒温泉"というようだ。換気に注意しなければならないほど強い硫黄の臭いがする温泉で、私の好みの泉質だ。
オンネトーは湖底から温泉が湧きだしているようで、おそらくは野中温泉と同質の湯なのだろう。そのためか湖の色の独特な美しさが人気になっている。私は昔から度々訪れているが、四季折々の湖面と原生林の美しさにしばし時間を忘れる。
湖の色と緑のコントラスト
背景として雌阿寒岳(1499m)と阿寒富士(1476m)が連なり、絵になる風景なのだが、なぜか今まで気に入った写真が撮れていない。
おそらくは、景色に見とれて、あるいはそれが目当てで訪れることが多く、本格的に"撮ろう"という気持ちで訪れたことが無いということなのだろう。写真をものにするためには、夜明け、夕方、冬季など、変化のあるタイミングをとらえる必要があると思う。機会があれば秋口の早朝、逆光気味に朝霧の景色をねらってみたい。
オンネトー
湖岸の西側に展望台がある。たしか以前は「見晴台」といっていたと思うが、昨年訪れたときは立ち入り禁止になっていた。何か事故でもあったか...
元々が登山道のような道で、気軽に行けるところではない。湖岸の展望デッキのすぐ近くに入口があるため、観光で訪れた人がそのまま立ち入ることが多かっただろう。ここは、「・・山登山道入口」といった形に整備するとよいのにと思っていた。最近、町のホームページを見ると、案内図から展望台のあたりが外れている。"お勧めではない"ということか。
40年以上古くなるが展望台からの写真、木に遮られて完全に展望が開けるわけではない。もしかしたら、この木の成長によって、展望がきかなくなったのかもしれない。国立公園内の木の伐採は容易ではないだろうから...
見晴台より
昔のことだが、展望デッキ付近にはザリガニが生息しており、水の中に入って遊べるようになっていた。最近はそのザリガニの姿を見かけなくなった。過去数十年の間の火山活動によって湖の水質が変化したのかもしれない。
50年ほど昔の展望デッキ付近
時代が変わり、季節も違えば、全く異なった景色となる。
2007年の展望デッキ付近
湖の南には「湯の滝温泉」といわれる景勝地があり、そこまで山道が続いている。鬱蒼とした原生林の中に続く道のわきに山の花が咲いていて、木漏れ日がスポットライトのようにあたったりする。楽しい散策路だ。
エゾオオサクラソウ